心筋梗塞リスク高めるトランス脂肪酸!え?コンビニドーナッツも危険?
2016/04/24
アメリカの食品医療薬品局は昨年6月、加工油脂に含まれる「 トランス脂肪酸 」の食品への添加を2018年6月以降は原則禁止にすると発表があり、大きな話題となりました。
聞きなれない名前と思いますが、ではそのトランス脂肪酸はどのような食べ物に含まれ、健康にどのような影響があるのでしょうか?
少しでもリスクがないよう日々には気を使って生きていきたいですよね。
ということで、調べてみました。
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◆トランス脂肪酸が含まれている食品とは?
トランス脂肪酸には、
「天然の食品に含まれているもの」と「油の加工や精製を通した過程で作られるものの」2種類があります。
「天然の食品に含まれているもの」としては、主に牛肉や羊肉、牛乳、乳製品に含まれているのが挙げられます。
では、「加工精製過程で作られるもの」は、「水素添加」という加工技術によって作られ、これは「植物油」や「魚油」から油脂をつくる方法のひとつとなり、主に「マーガリン」や「ファットスプレッド」「ショートニング」が挙げられます。
マーガリンやファットスプレッド…と聞くとピンとくるのは、これらを原材料に使った「クッキー」「クラッカー」「スナック菓子」「ケーキ」「ドーナツ」「ピザ」「揚げ物」などですが、これらの加工食品は、日々、意識せずに普通に口にしているのではないでしょうか。
さらに、「植物性のサラダ油」も製造過程のなかでわずかながらトランス脂肪酸が生成されます。
◆トランス脂肪酸を摂ることにによる身体への影響は?
そのように考えることなく、日常的に普通に口にしているトランス脂肪酸ですが、ではそれを毎日のように少しずつでも過剰摂取していくとどうなるのかというと、
血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールが減少されてしまうようで、そうすると動脈硬化が起こりやすくなり、心臓病、心筋梗塞などの危険性を高めると言われています。
これらのことは、アメリカやヨーロッパ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリアなどの多くの国では問題となっています。
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◆我が国の現状は?
そのように海外では問題となり制限されることもあるトランス脂肪酸が、現在日本ではまだ制限されていません。
現在、WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように指示しています。
日本人が1日に消費するエネルギー平均は1,900kcalですので、総エネルギー摂取量の1%は1日で2gになるため、1人あたり1日に摂取すべきトランス脂肪酸の目標量は2g未満です。
それを踏まえ、2008年に農林水産省が実施した調査研究によれば、日本人が1日あたりに摂取しているトランス脂肪酸は0.92~0.96gが平均と推定されているため、総エネルギー摂取量の0.44~0.47%に相当します。
これは、WHOが勧告する摂取量の1%未満にとどまるので問題にする必要はないと考えられているのかもしれません。
では、普段何気なく口にする食品で100gあたりの食品中に含まれる「脂質」や「トランス脂肪酸」の含有量で1gも超えるものは以下のものがあげられます。
・クロワッサン:0.29~3.0g
・味つけポップコーン:13g
・和牛ロース・サーロイン:0.52~1.4g
・チーズ:0.48~1.5g
・生クリーム:1.0~1.2g
・バター:1.7g~2.2g
・マーガリン:1.7g~2.2g
・クッキー:0.21~3.8g(食品安全委員会:2007年「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査」より)
しかし、これらの食品を1日に100g以上摂取することはないので、規制はされないようですが、日々蓄積していき、過剰摂取していくとリスクがあるため、日頃から栄養のバランスを充分に心がけ、過剰摂取はしないよう注意したいものですね。
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